吉原狐社中の舞や神楽は、狐演じるのではなく、狐演じる芸能。

狐太夫百合之介を中心とした個性豊かな吉原狐たちが、さまざまな舞台を賑やかに彩ります。

吉原の狐御三家 (よしわら の きつねごさんけ)

 

百合之介 (ゆりのすけ)

吉原狐太夫(ヨシワラキツネタユウ)。

1300年前、天界から落ちてきた白狐。

その様子を目撃した千葉九郎助によって祀られ、いつしか九郎助稲荷の神使として信仰を集める。

江戸時代には、特に遊女たちからの信仰が厚く、彼女たちの狂おしい情念を受け、髪は赤く染まり、いつしか他に類を見ない妖艶なる福狐と化す。その姿から、いつしか誰言うとも無く『吉原の狐太夫』と呼ばれるようになる。

近代の遊郭閉鎖後は、九郎助稲荷も取り壊され、行き場を失い全国を放浪。しかし、『吉原の狐舞ひ』を復活させようと言う機運に導かれ地元吉原に帰還。自ら先頭に立ち『吉原狐社中』を結成し、狐舞復活に取り組んでいる。
夢は芸能の力で世の中を平和に楽しく丸く治めようという『天下布舞』。
知能の高い狐族の中にあり、他の狐たちを従える智謀を兼ね備えており『笑う策士』の異名を持つ。

鏡衛門 (きょうえもん)

吉原狐冠者(ヨシワラキツネカジャ)。

1300年前、百合之介と共に天界から落ちてきた玄狐。

九郎助稲荷にも共に祀られ、稲荷大神の御霊である宝珠を持つ百合之介に対し、それを守る神蔵の鍵を持つ。

とてものんびり屋で、自発的な意思や行動はない。「百合ちゃんについて行くと面白いから」という理由だけで1300年間 百合之介に従っている。
しかし、その風貌や性格に似合わず、百合之介の意を先読みできる知力と、素早く行動に移せる敏捷性、また百合之介を守る為の体術も兼ね備えた全能さは、いつも周囲を驚かせる。
芸狐頭の華姫とは番い。恐妻家で尻に敷かれているのは言うまでもない。
お神酒が大好物。

四郎兵衛 (しろべえ)

吉原狐長者(ヨシワラキツネチョウジャ)。

 狐界の大長老。すでに現役は引退しているが、今でも狐長者として一目置かれている。

百合之介と血縁関係にあるようだが、詳しい関係は不明。(百合之介に「大叔父様」と呼ばれていることから直系ではない様子。)


天界にて数千年間生きていたが、隠居後は物忘れが激しく、突然姿を消すこともしばしば。

ある時 「可愛い甥っ子は何処かのう・・・」と呟き、百合之介を追って下界へ。百合之介を探し出し、彼と彼の愛する吉原を守るため、若く屈強な雄狐たちを集めて、自警団『四郎兵衛番所』を結成させる。集団行動を嫌う若い雄狐たちを簡単に束ねてしまう手腕は衰えていない。


舞の名手としても知られ、特に祝言舞『翁』は見るもの全てが幸福になるという。

お付きの従僕 夕吉の苦労を尻目に、大好きな猫と百合之介を探して、今日ものんきに徘徊を続けている。

夕吉 (ゆうきち)

吉原小僧狐(ヨシワラコゾウキツネ)。

 

四郎兵衛のお付きとして奉公する小僧狐。

(番所務めではなく、あくまで四郎兵衛の身の回りの世話をする奉公小僧)

四郎兵衛の手足となって吉原内を走り回ったり、介抱したりする姿が見受けられる。

 

聿之進 (いちのしん)

吉原右筆狐(ヨシワラユウヒツキツネ)。

 

百合之介の右筆を務める狐。現代でいう書記官の仕事のほか、催事等では狐太夫より預かった吉原狐の「御朱印」押印・墨書も行う。

鷹揚で物静かな性格ゆえ裏方に回ることが多いが、ひとたび舞台に上がれば身の丈ほどもある大筆を振るい、襖よりも大きな書をダイナミックに認める大筆書道の芸を披露する。

男狐衆 (おとこし)

 

狐長者 四郎兵衛が百合之介と吉原の治安を守る為に組織した『四郎兵衛番所』の若い衆。いずれも腕っぷしに自身のある強者揃い。

頑九郎 (がんくろう)

大門狐(オオモンキツネ)。

 

吉原で唯一の出入り口である『吉原大門』に宿った狐霊。吉原を守ろうとする人々の強い想いが、月日を経て彼を吉原大門の守護狐とさせた。それ以来、太夫と吉原を守るために鍛錬を重ねていたところ、四郎兵衛から見込まれ、番所の筆頭を務めている。

華厳王 (けごんおう)

吉原獅子(ヨシワラジシ)。

 

大門狐である頑九郎が獅子に化けた姿。

荒々しく勇猛でありつつも、憎めない愛嬌で人気。

吉原を表すが如く絢爛豪華な装い。

照千代 (てるちよ)

狐童子(キツネドウジ)。

 

気性が荒く、威張りん坊な童形の火狐。南方の炎の国の出身で、もとは鍛冶製鉄を司る土着神として信仰されていたが、自らが打ち鍛えた宝剣を慕い、献納先の江戸へ強引に居を移し替えた。吉原にて四郎兵衛に出会い、どういう訳かいたく気に入られ、番所に務める男衆の一匹となる。

経清 (つねきよ)

島津の白狐(シマヅノビャッコ)。

 

薩摩の名門島津家の守護神「島津の白狐」の一族。自らの狐舞に、薩摩伝統の「隼人舞」を取り入れ「隼人狐舞」を編み出すために、狐舞の名手として名高い狐長者四郎兵衛に弟子入りした。舞を教える代わりに、四郎兵衛番所の男衆として働く契約を結んだ。

芸狐衆 (げいこしゅう)

 

華姫 (はなひめ)

芸狐頭(げいこがしら)


江戸時代から吉原芸者として花柳界で生きてきた女狐。笛・太鼓・鉦、何でもこなす芸狐のリーダー。後輩の育成も担当。鏡衛門 とは夫婦の間柄。のんびりやの夫の尻を叩き、『吉原の狐舞ひ』復興に表と裏から尽力。夫を上回る酒豪で、飲み比べでは無敗を誇るツワモノ。

弓姫 (ゆみひめ)

笛狐

 

百合之介の元かむろで、古くから芸狐衆に名を連ねている。笛で狐舞の主旋律を奏でる。更なる高みを目指し、日夜特訓の日々を過ごす。面倒見が良く、同じくかむろ出身の後輩達の世話を焼くおかん的存在。

破矢姫 (はやひめ)

太鼓狐


かむろの中でもやんちゃで知られた女狐。見込んだ百合之介は、かむろ卒業試験として、多摩の狸の里に潜入させ、秘伝のポンポコ太鼓を習得する様命じた。命がけの任務に恐れもせずに立ち向かい、見事に盗み取ってきた女傑。太鼓打ち同士である河童とのコラボは必見。

瑠璃姫 (るりひめ)

笛狐

 

常にマイペースな元かむろ。あまりにも危なっかしい為、さすがの百合之介も破矢姫の様に外部に修行には出せず、手元に置いて笛の英才教育を施す。笛の技術は飛躍的に向上したが、世間知らず度に拍車をかけてしまい、育て方を間違ったと太夫を嘆かせている。

益次郎 (ますじろう)

隅田川河童

 

かっぱ橋を建設した伝説の隅田川河童一族、唯一の生き残り。 独りさまよっていた処、近隣の吉原に住む狐太夫に助けられ、以後ともに行動する。何食わぬ顔で芸狐達に混じり太鼓打ちを務めているが、緑鮮やかなオトボケ顔のインパクトは強烈。